2012年12月30日

測定ネットレポートNo9 冬の定番、みかんを測ってみました。

測定ネットレポートNo9

 依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
測定についての案内はこちらから。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html


冬の定番、みかんを測ってみました。

いずれも、900ml容器500ml入り設定で、みかんの外皮をむき、内皮つきのままプロセッサーでくだいたもの(液体状)を、500g入れて同一条件で測定したものです。
バックグラウンドは通常より長く16時間(57600秒)取得、測定時間も2時間と4時間の2回を行いました。ここでは、4時間(14400秒)の結果を掲載しています。
最初に、依頼の神奈川1、2を測定。こちらは、神奈川県西部と東部産でした。
ほぼ同じ結果が出たため、念のため、水を入れた同容器で測定し、装置にコンタミ(汚染)がないことを再確認し、さらに、手元にあった静岡県中部産のみかんを同条件で測定しました。
結果は以下の通り、神奈川産からは、放射性セシウムが134、137合計で5Bq/kg弱測定されました。

産地    Cs合計          Cs137           Cs134
神奈川1  4.47±1.809(2.244)  2.74±1.232(1.071)  1.73±1.324(1.173)
神奈川2  4.93±1.810(2.244)  3.08±1.235(1.071)  1.85±1.323(1.173)
静岡県1   −   (2.244)     −   (1.071)    − (1.173)
(Bq/kg ()内は測定下限値)

もちろん、厚生労働省が定める100Bq/kgの規制値やスクリーニングレベルとされる50Bq/kgを大きく下回る数値であり、一般的に「不検出」とされるレベルです。
本測定装置(NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ)の測定及び分析可能な限界に近い測定を行いました。放射性セシウム134、137それぞれに測定下限値2Bq/kg未満での結果となっています。

本測定装置は、厚生労働省等の扱いでは、簡易計測器とされており、1Bq/kg未満のような厳密な測定にはむかないとされています。厳密な測定には、ゲルマニウム半導体測定器にて行うこととされています。
実際に、測定上の誤差や分析上の誤差を考えますと、数ベクレルレベルでの測定は、ゲルマニウム半導体測定器でも厳しい条件設定が求められます。本装置での4Bq/kgの検出数値は、NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータでの限界まで測定した結果、検出だったという意味です。
posted by 事務局 at 21:08| 事務局より

測定ネットレポートNo8 2012年6月〜12月までの測定報告 (その3 その他)

測定ネットレポートNo8

2012年6月〜12月までの測定報告 (その3 その他)

 依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
測定についての案内はこちらから。
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品名       県名    容器   量(g)  時間    Cs137(()下限値      Cs134(()下限値)
稲藁       茨城県   1500ml  169   7200  41.71±1.369(5.335)    26.98±1.286(6.178)
灰(剪定枝他) 長野県   350ml   260.5  7200  535.58±11.652(4.742)  293.79±9.661(5.171)
灰(松等)    長野県   350ml   244.1  7200  492.53±11.246(5.061)  263.84±9.291(5.518)
竹炭       愛知県   350ml   143.6  7200  ND(8.656)          ND(9.511)
竹チップ     愛知県   350ml   75.9   7200  ND(16.377)         ND(17.995)

解説 測定には難しいものばかりです。いずれも密度が軽いものです。ただし、灰は、元の木を焼いたものですから、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を受けていれば、濃縮されて検出できますので、測定には向きます。研究者の調査などでは、炭にして測定することで水による影響を受けずに、より正確な測定をしていますが、測定ネットでは、基本的にいただいたものの水分量はそのままに測定しています。
灰が2種類ありますが、1種類(松等)の方は、2011年の事故前に伐採し、その後、外に放置していたものだということです。今回の測定では、今年の剪定枝ほかの薪を焼いたものとの差はあまり出ていません。


【コラム 実験】
依頼者の希望もあり、プランターで栽培したレモングラスと、そのプランターの土壌を測定してみました。神奈川県産です。

レモングラス Cs137 8.30±1.346(7.228) Cs134 10.37±1.472(7.848) …500ml/74.7g/ 14400秒
土壌 Cs137 36.72±4.862(4.674) Cs134 27.51±5.006(5.097)…350ml/265.5g/7200秒

土壌に放射性セシウム合計で54Bq/kg程度あり、レモングラスには18Bq/kg程度の結果が出ています。移行係数としてみると3割近くとなり、ちょっと高すぎるかな、とも思います。レモングラスは洗わずに測定しており、もともとのレモングラスの量が限られていることから、付着によるものが考えられることと、核種別で測定下限値に近い値であるため、誤差の可能性もあります。いずれにしても、不検出ではない、土壌以上に濃縮されているわけではない、ということは、この結果から読み取れます。なお、レモングラスをお茶にしたところ、Cs137 ND(0.593)、Cs134 ND(0.691)と、不検出になりました。

なお、2012年1月から12月25日までの測定件数は、134検体でした。
測定ネットとしては、測定余力は十分にあります。
生産者と消費者をつなぐ、というテーマで取り組みを続けます。
米、有機農業、学校給食を優先としながら、様々な測定に応じておりますので、遠慮なくご相談ください。
posted by 事務局 at 21:07| 測定レポート

測定ネットレポートNo7 2012年6月〜12月までの測定報告 (その2 土壌編)

測定ネットレポートNo7

2012年6月〜12月までの測定報告 (その2 土壌編)

 依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
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土壌編です。意外と土壌の測定依頼が多いのと、自主測定でも土壌をよく測定しました。
測定は、すべて350mlの使い捨て容器(マリネリではない)を使用し、7200秒(バックグラウンド12時間)で行っています。なお、水分量の調整は行っていないため、単純な比較はできません。参考程度です。あらかじめご留意ください。

品名      採取地  量(g)  Cs137(()は下限値)    Cs134(()は下限値)

土壌(軒下)  秋田県  458.7   8.24±4.171(2.688)     6.65±4.497(2.944)
土壌(水田)  秋田県  479.7   12.14±4.257(2.571)     6.64±4.488(2.815)
土壌(水田)  秋田県  472.8   7.03±4.127(2.608)     4.52±4.431(2.856)
土壌(ほ場)  秋田県  311.9   8.44±4.194(3.954)     7.46±4.534(4.329)
土壌(水田)  秋田県  430.5   8.70±4.192(2.865)     7.59±4.529(3.137)

土壌(水田)  山形県  492.6   10.02±4.207(2.503)     7.14±4.501(2.741)
土壌(水田)  山形県  499.5   6.40±4.131(2.469)     6.95±4.510(2.703)
土壌(水田)  山形県  366.3   6.28±4.142(3.367)     9.69±4.589(3.686)

土壌(水田)  新潟県  507    7.94±4.161(2.432)     4.04±4.431(2.663)
土壌(水田)  新潟県  510.2   10.61±4.234(2.417)     3.40±4.422(2.647)

土壌(畑)   茨城県  389.3   165.53±7.132(3.168)    102.39±6.506(3.469)
土壌(耕起後) 茨城県  364.1   87.82±5.878(3.387)     58.24±5.687(3.709)
土壌(耕起前) 茨城県  363.2   157.49±7.019(3.395)    92.82±6.348(3.718)
土壌(不耕起) 茨城県  330.6   209.74±7.764(3.73)     127.71±6.943(4.085)
土壌(畑)   茨城県  404.2   95.38±6.001(3.051)     59.49±5.702(3.341)

土壌(山沿)  群馬県  279.7   2028.13±21.127(4.428)   1147.07±16.854(4.879)

土壌(畑)   群馬県  369.9   287.00±8.783(3.348)    172.4±7.698(3.689)

土壌      長野県  364.8   61.03±5.372(3.387)     37.73±5.243(3.693)
土壌      長野県  432.3   67.98±5.532(2.858)     39.09±5.304(3.116)
土壌      長野県  408.3   734.44±13.115(3.043)    448.59±11.048(3.302)

土壌(庭)   東京都  351.8   77.73±5.677(3.521)     50.60±5.509(3.849)
土壌(庭畑)  東京都  307.4   51.98±5.177(4.029)     33.07±5.136(4.405)
土壌(庭畑)  東京都  290    75.12±5.632(4.264)     44.98±5.400(4.661)
土壌(畑)   東京都  396.1   32.04±4.79(3.136)      25.38±4.97(3.404)

土壌(鉢)   神奈川  213.5   23.52±4.548(5.801)     14.66±4.699(6.342)
土壌(庭11年秋)神奈川  248.1   82.97±5.779(4.992)     50.89±5.524(5.457)
土壌(鉢)   神奈川  265.5   36.72±4.862(4.674)     27.51±5.006(5.097)

土壌(畑・雨後)愛知県  572.7   ND(2.162)          ND(2.383)
土壌(畑)   奈良県  413.6   ND(2.994)          ND(3.300)
土壌(庭)   奈良県  474.2   ND(2.612)          ND(2.878)

解説 土壌の測定は、水分量を一定にすることにより、比較可能になります。ただ、実際には、その場その場で採取した土壌を容器に詰めて、それをそのまま測定することになります。そのため、水分量が多い土と少ない土では同条件であっても、放射性物質の濃度は異なってしまいます。
また、雨の後で、直後に測定すると雨水と同様に、ラドンの影響を受けて、誤測定につながります。また、土の中には、天然あるいは、過去の核実験等の由来による放射性物質が含まれたり、金属が入ることによって測定の正確さが多少失われることも考えられるため、判断は慎重にすべきです。
その上で、上記のような測定を行った傾向としては、東北日本海側は、中部以西よりは東京電力福島第一原子力発電所事故の影響が若干みられるものの、関東南部よりははるかに少ないということが表れています。
具体的にどれがどれ、とは書きませんが、同じ敷地でも、場所や条件などによって測定結果が大きく異なる場合もあります。風の吹きだまり、水が流れやすい、土質など要因はさまざまだと思いますが、1カ所のサンプルで語るのは危険です。
できるだけ多くのサンプルを測ることが必要です。
posted by 事務局 at 21:07| 測定レポート