2012年06月16日

測定ネットレポート4 安くて、便利な遮蔽体は、水

安くて、便利な遮蔽体は、水

 食品などの放射線を測定する上で、大切なことのひとつは、バックグラウンドの放射線量を低減することです。食品などの放射線量を測定する際には、バックグラウンドの放射線量を差し引く必要があります。食品などの放射線量はバックグラウンドに比べるとわずかなので、バックグラウンドが低ければ低いほど、より正確な測定が可能になります。
 放射線測定器に、鉛などの遮蔽がついているのは、バックグラウンドを低減させるためです。

 バックグラウンドの放射線はどこから来るのか?
 基本的には、大地と大気と宇宙です。宇宙からは宇宙線が降り注ぎます。この宇宙線が放射線です。宇宙線は銀河系の超新星爆発によるものや、太陽活動によるものなどがあります。また、宇宙線によって大気中などの物質が相互作用を起こし、二次宇宙線を発生させます。
 大気中には、そのほか、地球内部からのラドンなどの気体による放射線もあります。
 大地からは、カリウム40を含めた地殻にある自然の放射線がでています。
 雨が降ると、放射線モニタリングポストなどの数値が一時的に高くなるのは、大気中の放射性物質が雨とともに地面に落ちてくるためです。
 また、東京電力福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質が存在していると、当然ですが、バックグラウンドも高くなります。

 バックグラウンドを下げるためには、そもそもバックグラウンドが低い場所に測定器を設置すること、鉄筋コンクリートのビルなど遮蔽効果のある壁の建物に設置することなど、設置条件もあります。
 生産者と消費者をつなぐ測定ネットワークの測定器は、木造家屋の1階に設置しています。床下はコンクリで、床は一般的な木材のボード、回りは石膏ボード、天井もボードで屋根は瓦ぶきの場所です。エアコンは24時間つけっぱなしで、温度計とパソコンをつないで、測定装置の中と外の温度を記録し、温度差が±0.5度C内に収まるよう調整しています。
 測定器EMF211縦型は、重さが240kgあり、設置前に床下を床束を使って補強してあります。
 場所は、神奈川県茅ヶ崎市ですので、比較的放射線量は低いところですが、設置場所の木造家屋は、あまりいい条件ではありません。

 2011年11月末から測定を開始し、バックグラウンドをとってきましたが、おおむねトータルレート15.5cps(1秒間に15.5回)の放射線量がバックグラウンドとして測定されていました。
 これを少しでも下げようと、測定器に付属の遮蔽体とは別に、外側を遮蔽してみようと考えました。
 鉄板、鉛版、コンクリート…いろいろ考えましたが、一番安くて、つぶしが効いて、遮蔽効果が上がりそうなもの…、水! 水です。そこで、ミネラルの少ない軟水のペットボトル2リットル6本入りが安売りをしているたびに購入し、床下や測定器の回りに配置してみました。現在周囲に約180kg分、床下には36kg分を配置しています。
 見た目は不格好ですが、なにもしていなかったところから、水を周囲に配置しただけで、安定してバックグラウンドがトータルレート14.5cps程度まで下がりました。
 これだけでも測定下限値を下げることができます。装置の性能が上がる、ということです。このあとは、床の耐荷重を考えながら、床下や天井などの対策を考えて、可能な限り下げていきたいと思います。

 なお、バックグラウンドのカウント(cps)は、装置によって異なりますのでEMF211縦型以外の方の参考にはなりません。

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posted by 事務局 at 20:55| 測定レポート