2012年06月16日

測定ネットレポート5 雨や雪でのガンマ線の誤検出に注意したい

雨や雪でのガンマ線の誤検出に注意したい

 先日、茨城県の農家の地下水(井戸水)を測定しました。以前にも測定したことがあるのですが、1500mlでより厳密に測ってみようということになったのです。
 測定をしてみると、今まで見たことのないスペクトルが出てきました。放射性ヨウ素131の近くと、放射性セシウム134の大きな2つのピークのうちひとつの近くだけに大きな山が出ます。
 聞くと雨の直後に採取した水だとか。
 そこで、ラジウム226からの自然界にある放射性物質の影響を疑いました。
 ラジウム226は、ラドン222→ボロニウム218→鉛214→ビスマス214→と、放射線を出しながら、別の核種に変わっていきます(壊変)。このとき、鉛214、ビスマス214は短時間のうちにガンマ線を出します。そこで、ラジウム226やラドン222があると、ガンマ線として測定されることになります。ラドン222だけであれば、半減期が3.8日と短いので、1週間も置けばガンマ線の検出は少なくなります。
 一方、ラジウム222がある場合は、半減期が1600年なので、ガンマ線の検出量は変わらないことになります。ラジウム222は固体なので、雨よりも地下水の中に含まれるラジウムの疑いが出てきます。
 いずれの場合でも、放射性ヨウ素やセシウムとは異なります。
 特に、ビスマス214のピークが見られますので、そのあたりを参考にしながら誤検出を防ぐ努力が必要になります。
06-01.jpg
グラフ1

06-02.jpg
グラフ2


グラフ1を見てみると、I-131のピークよりも左側にピークが出ます。また、Cs-134の場合605.0keVと795.8keVにピークがあり、ふたつの山をつくりますが、今回は605.0keVしか山がありません。このあたりが目安になると思います。


 ちなみに、茨城の地下水は、1週間後に測定したらかなり減衰していたので、雨によるラドン222の影響ではないかと推定しています。(グラフ2では同じような波形ですが、カウント数が減っています。いずれも2時間測定)

ラジウム226からの壊変()内は半減期
ラジウム226(1600年)→α→ラドン222(3.8日)→α
→ポロニウム218(3分)→α→鉛214(27分)→β(γ線出す)→ビスマス214(20分)→β(γ線出す)→ポロニウム214(0.00016秒)
→鉛210(22年)→ビスマス210(5日)→ポロニウム210(138日)→鉛206(安定)
posted by 事務局 at 21:14| 事務局より