2013年05月22日

測定ネットレポートNo13

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
測定についての案内はこちらから。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html

■その他、2〜4月の測定結果
特筆したレポート以外の2013年2月〜4月の測定結果一覧です。依頼分、自主測定分を含みます。
EMF211のハードウエア、ソフトウエアを更新したこともあって、後半は16時間のバックグラウンド、4時間測定でできるだけ測定下限値を下げて測定してみました。測定下限値をとても下げていることと、比較的放射性セシウムが検出されやすいと言われる品目を測定しているため、NDではない検体が比較的多くなりました。
福島県の自家用の米の測定を依頼されました。4時間測定を行ない、セシウム137のみ、わずかながら検出されていますが、繰り返し述べているとおり、測定下限値が0.43Bq/kg、測定結果も1Bq/kg未満であり、測定の信頼性の限界での検出結果です。バックグラウンドを16時間、4時間測定を2回以上行った結果です。放射性セシウムの量としては、茨城県の赤米の方が出ていますが、こちらは玄米であり、福島県のお米は精米(白米)であることには注意が必要です。また、日本酒(福島県)のものは、いわゆる銘柄酒ではなく、パックの比較的安い日本酒を測定したものです。
筍(たけのこ)については、Aは、生で剥いた状態のものを水洗いせずに測定しています。こちらはフードプロセッサーで粉砕していますので、その検体と同ロットの検体を水洗いし、本来は灰等で茹でますが、水だけで茹でて、茹でた後、水洗いをして水気を切って測定したところ、放射性セシウム合計で約12Bq/kgが約9Bq/kgと25%近く低減しました。筍Bは、検体の量が少なかったため、外皮ごと測定したものです。最後のミノムシは、大分県の無農薬ブルーベリー園で大量発生したミノムシ(蓑である枝葉付)を採取して測定依頼となったもので、検体量が少なく、測定下限値もやや高めですが不検出でした。
このような特殊な検体の場合や土壌などの場合には、ワンウエイの容器を測定ネットから送付し、そこに指定通りに詰めていただいたものを測定することにしています。ただし、たい肥化されていない動物(人間含む)の糞尿については衛生上お断りしておりますので、その点はご了承ください。

品目      産地  容量(ml) 重量(g) 時間(秒) Cs137(Bq/kg) Cs134(Bq/kg)
米(精米) 福島県 1000ml 935.8 14400 0.53±0.38(0.43) ND(0.49)
夏みかん 神奈川 1000ml 925 14400 3.40±0.49(0.46) 1.24±0.51(0.53)
大豆 茨城県 1500ml 1120 14400 1.87±0.41(0.50) 1.08±0.44(0.57)
筍A(むき身) 千葉県 1000ml 997.5 14400 7.56±0.56(0.42) 4.22±0.56(0.49)
筍A(上記水煮)千葉県 1000ml 999.4 14400 6.21±0.73(0.57) 2.88±0.73(0.66)
筍B 千葉県 900ml 471.3 14400 3.81±1.18(2.15) 2.55±1.15(2.14)
日本酒 福島県 1000ml 1000 14400 ND(0.580) ND(0.67)
小麦粉 茨城県 350ml 200 14400 9.14±1.42(2.19) 6.38±1.48(2.39)
赤米 茨城県 350ml 308.1 14400 3.70±1.31(1.42) 1.93±1.38(1.55)
稲わら 東京都 1000ml 98 14400 ND(4.38) ND(4.95)
ミノムシ 大分県 350ml 84.8 14400 ND(9.94) ND(10.62)

本測定装置は、厚生労働省等の扱いでは、簡易計測器とされており、1Bq/kg未満のような厳密な測定にはむかないとされています。厳密な測定には、ゲルマニウム半導体測定器にて行うこととされています。
実際に、測定上の誤差や分析上の誤差を考えますと、数ベクレルレベルでの測定は、ゲルマニウム半導体測定器でも厳しい条件設定が求められます。本装置での1Bq/kg前後の検出数値は、NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータでの限界まで測定した結果、検出だったという意味です。
posted by 事務局 at 09:53| 測定レポート

測定ネットレポートNo12

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
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■半炭化してみました。
食品用の放射線測定器は、放射線のうち、ガンマ線を測定します。ガンマ線は電磁波の一種であり、透過力が高いため、食品用放射線測定器は厚い鉛などで遮蔽しています。水も遮蔽体ですので、検体(食品)中に水分が多い場合、測定器の中で食品自体の水分によりガンマ線が遮蔽されてしまい、本来の放射能の強さよりも少し低くなってしまいます。そこで、科学的なデータを取るなど厳密な測定の場合には、検体を加熱して炭化(半炭化)してから測定することが求められます。しかし、炭化は時間がかかることと、測定のために検体を多く必要とすることから、原発事故による食の安全を確保するために、生のまま測定をしています。
実際に生のままと炭化した場合とではどのくらいの差が出てくるのでしょうか?
ひとつの実験として、測定ネットのある神奈川県茅ヶ崎市のダイダイの木になっている実を採取し、生の状態と、炭化した状態での測定を行いました。神奈川県では多くの地点で柑橘類から若干の放射性物質(放射性セシウム)が出てきます。その変化を調べてみました。

品目      容量(ml) 重量(g) 時間(秒) Cs137(Bq/kg) Cs134(Bq/kg)
ダイダイ 1000ml 672.4 14400 2.56±0.66(1.34) 1.70±0.45(0.63) 0.87±0.49(0.71)
ダイダイ半炭化 1500ml 443.3 14400 11.80±0.71(2.69) 7.76±0.51(1.27) 4.05±0.50(1.42)

放射性セシウム合計で半炭化が11.8Bq/kgに対し、生の状態が2.56Bq/kgと、約4.6倍になっていますが、半炭化による水分除去での比率は、生の状態3.65kgが半炭化783gとなったことからおよそ4.66倍なので、だいたい同じ結果となりました。
当初の予想では、水分が抜かれた分だけ、水によるガンマ線の検体内部での遮蔽効果が影響し、少々半炭化の方が高くなると見ていましたが、もともとダイダイは水分が少なかったこともあり、減容率(水分除去率)も大きくないことから、差は出ませんでした。
今後も、同様の測定を試してみたいと思います。
水分の多い検体で、ある程度放射性セシウムが含まれていると想定できる検体があるようでしたら、検体の提供と送料のご負担をいただければ、生の測定および炭化、炭化後の測定は無償で行います。なまものですので、収穫や入手前に日程等を含めてご相談ください。
posted by 事務局 at 09:52| 測定レポート

測定ネットレポートNo11

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

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■有機農家の資材測定
有機農業に取り組む米農家グループから、昨年、今年と使用する購入有機資材の測定を依頼されています。できたお米は、生産者ごとにゲルマニウム半導体検出器で精密測定をしていますが、有機資材の方は、測定ネットに依頼して確認という形をとられています。
今期も、使用前に資材の測定をすることとなりました。測定装置の性能が上がったので、測定ネットとしても、核種別1Bq/kgを下回るレベルでの測定を目指して測定しました。
11検体のうち、有機資材3からは放射性セシウムが合計で、13.11±1.11Bq/kgと、低いレベルながらも、セシウム137、134とも検出されました。この原料は、茨城県産の玄米を精米した米ぬかでしたので、米ぬかに含まれていたものと推察されます。
また、有機資材6番からは、セシウム137のみ、1.45Bq/kg程度検出されています。この検体については何度も測定を繰り返してみましたが、わずかながらですが、セシウム137、134が存在する可能性があります。主に、魚粉を利用した有機資材ですが、米ぬか成分も入っていることから、どちらの由来かは分かりません。とても低いレベルの検出値なので、誤検出等、放射性セシウムが存在していない可能性もあります。そのことは生産グループにはお伝えしています。最後の有機資材11については、海外産のナタネを国内で油として絞った油かすをベースとした肥料です。念のために測定を依頼されましたが、核種別に0.6Bq/kg未満で測定して不検出となりました。
なお、生産者グループでは、検出された場合は基本的に使用しないとのことでした。

品目      産地  容量(ml) 重量(g) 時間(秒) Cs137(Bq/kg) Cs134(Bq/kg)
有機資材1 秋田県 1000ml 828 7200 ND(0.69) ND(0.80)
有機資材2 愛知県 1000ml 804.6 7200 ND(0.71) ND(0.82)
有機資材3 茨城県 1000ml 652.5 7200 8.77±0.8(0.88) 4.34±0.78(1.02)
有機資材4 静岡県 1000ml 1202.2 7200 ND(0.48) ND(0.55)
有機資材5 愛知県 1000ml 783.1 7200 ND(0.73) ND(0.85)
有機資材6 静岡県 1000ml 767.6 7200 1.45±0.60(0.75)ND(0.86)
有機資材7 長野県 1000ml 1000 7200 ND(0.57) ND(0.66)
有機資材8 静岡県 1000ml 1173.4 7200 ND(0.49) ND(0.57)
有機資材9 宮崎県 1000ml 1233.8 7200 ND(0.47) ND(0.54)
有機資材10 静岡県 1000ml 1173 7200 ND(0.48) ND(0.55)
有機資材11 海外含 1500ml 1077.1 14400 ND(0.52) ND(0.58)

測定は、厚生労働省の「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」にもとづいて行っているものです。
また、農林水産省の肥料についての基準は製品重量ベースで放射性セシウム合計400Bq/kgです。測定した有機資材はいずれもこれを大きく下回っています。
posted by 事務局 at 09:51| 測定レポート