2013年05月22日

「放射能汚染と学校給食」出版

出版物のお知らせ
「放射能汚染と学校給食」 著者:牧下圭貴 岩波ブックレット 80ページ
630円 発行 2013年6月4日

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 生産者と消費者をつなぐ測定ネットワークとして取り組みました食品の放射線測定などを踏まえ、測定ネットの主催団体のひとつ全国学校給食を考える会が発行する学校給食ニュースの編集責任者として整理した情報などをふまえて、学校給食の現状、原発事故と放射性物質の基礎知識、食品の放射性物質測定の方法、各地の学校給食の測定の現状と今後に向けた提言をまとめました。
 福島県や長野県の栄養士さんや、測定を実際に行っている給食調理員さん、西日本でいち早く学校給食専用に測定器を導入した兵庫県宝塚市市長の中川智子市長、世田谷子ども守る会の保護者の方などのご協力を得て事例をできるだけ入れました。ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思います。
 お求めは、書店、ネット書店等でお願いします。
 また、厚かましいお願いですが、各団体等でご紹介いただければ幸いです。


なお、本書の第2章には、測定ネットでサンプル測定した2カ所の大豆の比較測定結果をグラフ付で掲載していますが、測定結果表の一部だけで、文字も小さくて見にくいと思います。そこで、この元の測定結果シートをダウンロードできるようにしました。
本書でグラフ(図1〜図3)掲載されているページ数(数字2文字)+図の下に書いてある使用装置名(英数字6文字英文字は小文字で)の英数字8文字をパスワードとします。
IDは、daizudataです。
参考にご利用ください。

ダウンロード用URL
http://www.inawara.com/iwanami/
posted by 事務局 at 09:56| 事務局より

2012年12月30日

測定ネットレポートNo9 冬の定番、みかんを測ってみました。

測定ネットレポートNo9

 依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
測定についての案内はこちらから。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html


冬の定番、みかんを測ってみました。

いずれも、900ml容器500ml入り設定で、みかんの外皮をむき、内皮つきのままプロセッサーでくだいたもの(液体状)を、500g入れて同一条件で測定したものです。
バックグラウンドは通常より長く16時間(57600秒)取得、測定時間も2時間と4時間の2回を行いました。ここでは、4時間(14400秒)の結果を掲載しています。
最初に、依頼の神奈川1、2を測定。こちらは、神奈川県西部と東部産でした。
ほぼ同じ結果が出たため、念のため、水を入れた同容器で測定し、装置にコンタミ(汚染)がないことを再確認し、さらに、手元にあった静岡県中部産のみかんを同条件で測定しました。
結果は以下の通り、神奈川産からは、放射性セシウムが134、137合計で5Bq/kg弱測定されました。

産地    Cs合計          Cs137           Cs134
神奈川1  4.47±1.809(2.244)  2.74±1.232(1.071)  1.73±1.324(1.173)
神奈川2  4.93±1.810(2.244)  3.08±1.235(1.071)  1.85±1.323(1.173)
静岡県1   −   (2.244)     −   (1.071)    − (1.173)
(Bq/kg ()内は測定下限値)

もちろん、厚生労働省が定める100Bq/kgの規制値やスクリーニングレベルとされる50Bq/kgを大きく下回る数値であり、一般的に「不検出」とされるレベルです。
本測定装置(NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ)の測定及び分析可能な限界に近い測定を行いました。放射性セシウム134、137それぞれに測定下限値2Bq/kg未満での結果となっています。

本測定装置は、厚生労働省等の扱いでは、簡易計測器とされており、1Bq/kg未満のような厳密な測定にはむかないとされています。厳密な測定には、ゲルマニウム半導体測定器にて行うこととされています。
実際に、測定上の誤差や分析上の誤差を考えますと、数ベクレルレベルでの測定は、ゲルマニウム半導体測定器でも厳しい条件設定が求められます。本装置での4Bq/kgの検出数値は、NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータでの限界まで測定した結果、検出だったという意味です。
posted by 事務局 at 21:08| 事務局より

2012年06月16日

測定ネットレポート5 雨や雪でのガンマ線の誤検出に注意したい

雨や雪でのガンマ線の誤検出に注意したい

 先日、茨城県の農家の地下水(井戸水)を測定しました。以前にも測定したことがあるのですが、1500mlでより厳密に測ってみようということになったのです。
 測定をしてみると、今まで見たことのないスペクトルが出てきました。放射性ヨウ素131の近くと、放射性セシウム134の大きな2つのピークのうちひとつの近くだけに大きな山が出ます。
 聞くと雨の直後に採取した水だとか。
 そこで、ラジウム226からの自然界にある放射性物質の影響を疑いました。
 ラジウム226は、ラドン222→ボロニウム218→鉛214→ビスマス214→と、放射線を出しながら、別の核種に変わっていきます(壊変)。このとき、鉛214、ビスマス214は短時間のうちにガンマ線を出します。そこで、ラジウム226やラドン222があると、ガンマ線として測定されることになります。ラドン222だけであれば、半減期が3.8日と短いので、1週間も置けばガンマ線の検出は少なくなります。
 一方、ラジウム222がある場合は、半減期が1600年なので、ガンマ線の検出量は変わらないことになります。ラジウム222は固体なので、雨よりも地下水の中に含まれるラジウムの疑いが出てきます。
 いずれの場合でも、放射性ヨウ素やセシウムとは異なります。
 特に、ビスマス214のピークが見られますので、そのあたりを参考にしながら誤検出を防ぐ努力が必要になります。
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グラフ1

06-02.jpg
グラフ2


グラフ1を見てみると、I-131のピークよりも左側にピークが出ます。また、Cs-134の場合605.0keVと795.8keVにピークがあり、ふたつの山をつくりますが、今回は605.0keVしか山がありません。このあたりが目安になると思います。


 ちなみに、茨城の地下水は、1週間後に測定したらかなり減衰していたので、雨によるラドン222の影響ではないかと推定しています。(グラフ2では同じような波形ですが、カウント数が減っています。いずれも2時間測定)

ラジウム226からの壊変()内は半減期
ラジウム226(1600年)→α→ラドン222(3.8日)→α
→ポロニウム218(3分)→α→鉛214(27分)→β(γ線出す)→ビスマス214(20分)→β(γ線出す)→ポロニウム214(0.00016秒)
→鉛210(22年)→ビスマス210(5日)→ポロニウム210(138日)→鉛206(安定)
posted by 事務局 at 21:14| 事務局より