2013年05月22日

測定ネットレポートNo12

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
測定についての案内はこちらから。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html

■半炭化してみました。
食品用の放射線測定器は、放射線のうち、ガンマ線を測定します。ガンマ線は電磁波の一種であり、透過力が高いため、食品用放射線測定器は厚い鉛などで遮蔽しています。水も遮蔽体ですので、検体(食品)中に水分が多い場合、測定器の中で食品自体の水分によりガンマ線が遮蔽されてしまい、本来の放射能の強さよりも少し低くなってしまいます。そこで、科学的なデータを取るなど厳密な測定の場合には、検体を加熱して炭化(半炭化)してから測定することが求められます。しかし、炭化は時間がかかることと、測定のために検体を多く必要とすることから、原発事故による食の安全を確保するために、生のまま測定をしています。
実際に生のままと炭化した場合とではどのくらいの差が出てくるのでしょうか?
ひとつの実験として、測定ネットのある神奈川県茅ヶ崎市のダイダイの木になっている実を採取し、生の状態と、炭化した状態での測定を行いました。神奈川県では多くの地点で柑橘類から若干の放射性物質(放射性セシウム)が出てきます。その変化を調べてみました。

品目      容量(ml) 重量(g) 時間(秒) Cs137(Bq/kg) Cs134(Bq/kg)
ダイダイ 1000ml 672.4 14400 2.56±0.66(1.34) 1.70±0.45(0.63) 0.87±0.49(0.71)
ダイダイ半炭化 1500ml 443.3 14400 11.80±0.71(2.69) 7.76±0.51(1.27) 4.05±0.50(1.42)

放射性セシウム合計で半炭化が11.8Bq/kgに対し、生の状態が2.56Bq/kgと、約4.6倍になっていますが、半炭化による水分除去での比率は、生の状態3.65kgが半炭化783gとなったことからおよそ4.66倍なので、だいたい同じ結果となりました。
当初の予想では、水分が抜かれた分だけ、水によるガンマ線の検体内部での遮蔽効果が影響し、少々半炭化の方が高くなると見ていましたが、もともとダイダイは水分が少なかったこともあり、減容率(水分除去率)も大きくないことから、差は出ませんでした。
今後も、同様の測定を試してみたいと思います。
水分の多い検体で、ある程度放射性セシウムが含まれていると想定できる検体があるようでしたら、検体の提供と送料のご負担をいただければ、生の測定および炭化、炭化後の測定は無償で行います。なまものですので、収穫や入手前に日程等を含めてご相談ください。
posted by 事務局 at 09:52| 測定レポート

測定ネットレポートNo11

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
まだ測定に余力がありますので遠慮なくご相談ください。
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■有機農家の資材測定
有機農業に取り組む米農家グループから、昨年、今年と使用する購入有機資材の測定を依頼されています。できたお米は、生産者ごとにゲルマニウム半導体検出器で精密測定をしていますが、有機資材の方は、測定ネットに依頼して確認という形をとられています。
今期も、使用前に資材の測定をすることとなりました。測定装置の性能が上がったので、測定ネットとしても、核種別1Bq/kgを下回るレベルでの測定を目指して測定しました。
11検体のうち、有機資材3からは放射性セシウムが合計で、13.11±1.11Bq/kgと、低いレベルながらも、セシウム137、134とも検出されました。この原料は、茨城県産の玄米を精米した米ぬかでしたので、米ぬかに含まれていたものと推察されます。
また、有機資材6番からは、セシウム137のみ、1.45Bq/kg程度検出されています。この検体については何度も測定を繰り返してみましたが、わずかながらですが、セシウム137、134が存在する可能性があります。主に、魚粉を利用した有機資材ですが、米ぬか成分も入っていることから、どちらの由来かは分かりません。とても低いレベルの検出値なので、誤検出等、放射性セシウムが存在していない可能性もあります。そのことは生産グループにはお伝えしています。最後の有機資材11については、海外産のナタネを国内で油として絞った油かすをベースとした肥料です。念のために測定を依頼されましたが、核種別に0.6Bq/kg未満で測定して不検出となりました。
なお、生産者グループでは、検出された場合は基本的に使用しないとのことでした。

品目      産地  容量(ml) 重量(g) 時間(秒) Cs137(Bq/kg) Cs134(Bq/kg)
有機資材1 秋田県 1000ml 828 7200 ND(0.69) ND(0.80)
有機資材2 愛知県 1000ml 804.6 7200 ND(0.71) ND(0.82)
有機資材3 茨城県 1000ml 652.5 7200 8.77±0.8(0.88) 4.34±0.78(1.02)
有機資材4 静岡県 1000ml 1202.2 7200 ND(0.48) ND(0.55)
有機資材5 愛知県 1000ml 783.1 7200 ND(0.73) ND(0.85)
有機資材6 静岡県 1000ml 767.6 7200 1.45±0.60(0.75)ND(0.86)
有機資材7 長野県 1000ml 1000 7200 ND(0.57) ND(0.66)
有機資材8 静岡県 1000ml 1173.4 7200 ND(0.49) ND(0.57)
有機資材9 宮崎県 1000ml 1233.8 7200 ND(0.47) ND(0.54)
有機資材10 静岡県 1000ml 1173 7200 ND(0.48) ND(0.55)
有機資材11 海外含 1500ml 1077.1 14400 ND(0.52) ND(0.58)

測定は、厚生労働省の「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」にもとづいて行っているものです。
また、農林水産省の肥料についての基準は製品重量ベースで放射性セシウム合計400Bq/kgです。測定した有機資材はいずれもこれを大きく下回っています。
posted by 事務局 at 09:51| 測定レポート

測定ネットレポートNo10

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

測定ネットは一般食品・土壌・水等の測定も承っています。
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測定についての案内はこちらから。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html

■測定器・ソフト更新、さらに高性能に(2月〜)
測定ネットで使用しているNaI(TL)シンチレーションスペクトロメータのEMF211(EMFジャパン社製)のハード、ソフトを更新しました。
ハードウエアとしては、従来のシンチレーター(測定部分)を交換し、放射性カリウムの影響をこれまでよりも受けにくいローバックタイプに変更するとともに、温度追従機能がつくことで、長時間測定の際のわずかな温度変化に対応するようになりました。
それに合わせて、ソフトウエアもVer4.0となり、従来よりもより使いやすくなっています。
設置はこれまで通り、家庭用ではありますが、24時間エアコンを入れたままで測定室の温度変化をできる限り抑えています。その検証のために、以前から、測定器の側面と、シンチレーターの入口近くに温度センサーをつけて、パソコンで測定時間中の温度変化を記録しています。
また、以前から行っているように、測定装置の周辺、床下にペットボトル等で水の壁をつくり、バックグラウンドを低減させるための努力を行っています。
2月から4月にかけてのバックグラウンド測定では、1月以前よりも10%程度のバックグラウンド低減をしており、それによって、測定下限値をさらに下げられるようになりました。

測定の時間については、従来通り、バックグラウンド12時間、測定時間2時間程度を基本にしていますが、最長でバックグラウンド24時間、測定時間6時間ぐらいまでは測定可能です。

これらの結果、1000mlで1000gのような密度の高いものであれば、測定下限値上は、放射性セシウム137で0.5Bq/kg未満、放射性セシウム合計1Bq/kg未満になるような測定も可能となっています。

もちろん本測定装置は、厚生労働省等の扱いでは、簡易計測器とされており、1Bq/kg未満のような厳密な測定にはむかないとされています。厳密な測定には、ゲルマニウム半導体測定器にて行うこととされています。
実際に、測定上の誤差や分析上の誤差を考えますと、数ベクレルレベルでの測定は、ゲルマニウム半導体測定器でも厳しい条件設定が求められます。
測定結果のスペクトルデータを確認し、きちんとCs134、Cs137の山ができていることや、複数回測定などにより、測定結果を判断することとなります。
それでも、検体が水分を含んでいたり、天然の放射性物質が存在するカリウムを多く含んでいたりすると、誤差の可能性は高まります。測定の信頼性としては、限界があると思います。
そのことは、十分留意した上で、低い数値の判断を行う必要はあります。ただし、このハード・ソフトの更新により、以前よりも測定結果の信頼性は確実に増しています。

測定費用は当面変えませんが、測定する際に、測定下限値をどの程度にするのか、ご依頼人とご相談しながら本装置の性能に応じた使い方をしていきたいと思います。
遠慮なく、測定についてのご相談をしてください。

測定装置のスペック等については、EMFジャパン社のホームページをご覧ください。
http://www.emf-japan.com/emf/emf1/emf211.html
posted by 事務局 at 09:50| 測定レポート