2012年04月23日

測定レポート2012年3月

測定レポート2012年3月

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

3月は、生産者グループから、使用する有機資材についての測定を依頼されました。
このうち1検体からは放射性セシウム137で12.2Bq/kg(±0.58)が測定されました。また、放射性セシウム134については、定量下限未満でしたが、検出限界は超えており、東京電力福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質とみられるものがありました。

番号 品目      産地   容量    Cs137   不確かさ(±)  Cs134  不確かさ(±)
01 有機資材(固形) 愛知県 330ml   ND(20.7)  −      ND(31)    −
02 有機資材(固形) 外国産 330ml   ND(25.3)  −      ND(38)    −
03 有機資材(固形) 茨城県 1000ml   12.2    ±0.58    ND(6.5)     −
04 有機資材(液体) 静岡県 330ml   ND(10.9)  −      ND(16.3)   −
05 有機資材(固形) 愛知県 330ml   ND(17.2)  −      ND(25.8)   −
06 有機資材(固形) 静岡県 330ml   ND(17.1)  −      ND(25.6)   −
07 有機資材(液体) 長野県 330ml   ND(14.4)  −      ND(21.6)   −
08 有機資材(液体) 静岡県 330ml   ND(12.5)  −      ND(18.8)   −
09 有機資材(固形) 宮崎県 330ml   ND(10.9)  −      ND(16.4)   −
10 有機資材(液体) 静岡県 330ml   ND(11.4)  −      ND(17.2)   −
11 有機資材(固形) 京都府 330ml   ND(12.8)  −      ND(19.2)   −
12 加工食品(魚卵) 北海道 1000ml   ND( 2.8)  −      ND( 4.2)   −
13 有機資材(固形) 愛知県 330ml   ND(18.6)  −      ND(27.9)   −

2012年3月までは、ND(不検出)を定量下限未満で示しています。2012年4月からは、測定用ソフトウエアが変更され、新たに測定下限が設定されました。バックグラウンドの放射線量、測定時間、測定検体の量、密度によって変動はこれまで通りにありますが、より精度の高い(下限が低い)測定が可能になります。
検出限界、定量下限、測定下限については、http://sokuteinet.sblo.jp/article/55146576.html をご覧ください。

また、放射性セシウム合計値についても4月以降合算値ではなく不確かさを織り込んだ測定値を出すことになります。
詳しくは、http://sokuteinet.sblo.jp/article/55146570.html をご覧ください。
posted by 事務局 at 14:45| 測定レポート

2012年04月10日

測定下限と検出限界、定量下限について

測定下限と検出限界、定量下限について

4月からの厚生労働省「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」では、「測定下限」がとられています。

これまで測定ネットでは、「定量下限」未満の場合ND(不検出)とし、「検出限界」については参考程度にしていました。測定運動の中では参考値として、「検出限界」を超えた値も参考値や測定値として公表される例もあります。
今後「測定下限」での報告を行うこととなります。

この3つについて簡単に整理しておきます。

「定量下限」は、測定した検体に対象の放射性物質(例:Cs-137)が含まれていた場合、一定の信頼性を持って数値を決められる(定量)最低量です。対象の放射性物質が定量下限を超えたとき、はじめて数値を決めて「○Bq/kg検出した」「○±○Bq/kg検出した(より正確な表記)」と言える下限値です。
測定器メーカーの規定に合わせ、繰り返し測定を行い、その標準偏差の10倍(10σ)とした値です。

「検出限界」は、測定した検体に対象の放射性物質(例:Cs-137)が含まれるかどうかを装置が確認できる最低量です。検出限界未満では、たとえ測定値が出たとしても「ある」とも「ない」とも言えません。「検出限界」以上「定量下限」未満の数値は、「ある」(可能性が高い)ということを意味する数値です。
測定器メーカーの規定に合わせ、繰り返し測定を行い、その標準偏差の3倍(3σ)とした値です。

「測定下限」は、厚生労働省「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」で規定された測定下限値算出方法によって導かれる値で、バックグラウンド測定時のネットレート(cps…1秒間のカウント数)、換算係数(Bq/kg/cps)の実測値から計算(3σ)されたものです。

科学測定の領域では、本来、検出限界と定量下限が重要となりますが、今回は、統一して「測定下限」という考え方、計算方法が出てきましたので、それに合わせることになりました。測定器・EMF211のソフトウエアも「測定下限」に合わせた対応となっています。
もっとも、「緊急時の測定や、スクリーニングのための測定だから、水分の残った状態で測定しているが、科学測定であれば、灰にして測定するのが一般的」との指摘もいただいています。
「測定下限」の導入により、「定量下限」に相当する「数値を出せる値」は低い値まで示せることになりました。
posted by 事務局 at 17:43| 注意事項

2012年03月14日

測定ネット・定期報告 2012年2月

依頼を受けた測定ならびに自主測定したものについて、その結果を報告します。
依頼を受けたものについて、測定ネットでは、基本的に都道府県名、品名、測定値を公開することとしています。

2月は、有機資材としての薪ストーブ灰や落葉、原料の木くずなどと食品を測定しました。有機資材は基本的に330mlでの測定、食品は基本的に1リットルの測定で、3600秒(1時間)です。
結果は、放射セシウム134、137の数値をお知らせします。定量下限をNDとします。NDのなかの()の数値は、定量下限値であり、測定数値ではありません。また、測定値が0の場合でもND(定量下限値)と表示しています。
定量下限値は、検体の密度、状態、測定装置の設定により異なります。
定量下限値は、測定の結果、放射性物質が含まれている場合の信頼性として、測定誤差(標準偏差σ)の10倍をとった値です。検出限界値(3σ)よりも高い値になります。
放射性ヨウ素131についても測定していますが、いずれもND(定量下限以下)あるいは測定値自体が0でした。

番号 品目    産地   容量 Cs137  不確かさ(±)  Cs134  不確かさ(±)
1  玄米    茨城県  1000ml 48.57  ±2.056     35.3   ±2.097
2  玄米    茨城県  1000ml ND(3.2)   −      ND(4.8)  −
3  玄米    茨城県  1000ml 11.31  ±0.976      7    ±0.919
4  白米    茨城県  1000ml 17.77  ±1.235     12.49   ±1.239
5  白米(もち)茨城県  1000ml 5.84   ±0.711      ND    −
6  小豆 茨城県  1000ml ND(3.4)  −       ND(5)   −
7  大豆    茨城県  800ml  5.44   ±0.811     ND(5.6)  −
8  大根(乾燥)茨城県  330ml  ND(138.6) −      ND(207.9) −
9  木灰    茨城県  330ml 5425.6  ±65.755     3763.8  ±62.149
10  木灰    茨城県  330ml 13785.1 ±130.567   9818.1   ±125.044
11  木灰    茨城県  330ml 6541.92 ±102.935   4695.21  ±98.959
12  木灰    山形県  300ml ND(37.1)  −      ND(55.7)  −
13  木くず   茨城県  330ml 241.19  ±22.962   147.01   ±20.343
14  木くず   長野県  1000ml ND(4.4)  −     ND(6.6)   −
15  木粉    茨城県  330ml 987.19  ±39.365   770.4 ±39.463
16  木葉粉   東京都  330ml 913.46  ±34.457   698.72 ±34.198
17  落葉    茨城県  330ml 742.31  ±47.413   575.02 ±47.357
18  落葉    茨城県  330ml 133.56  ±19.458   ND(142.9)  −



解説:検体番号8(乾燥大根)、17、18については、検体として量が少なく(密度が低く)、定量下限値が非常に高くなるため、測定としては厳しいものがあります。
食品以外の場合、特に粉体や土壌の場合には、350ml専用容器を使い捨てにして、依頼者に事前に送付し、それを送り返してもらい、そのまま測定するため、容量が少ないこともあります。
この場合、時間を長くして定量下限を上げていく方法もありますが、限界があります。
今回は、依頼者からあらかじめ別の簡易測定器等で放射性セシウムが検知されているものについて、定量を依頼した検体が多く、その結果、高い測定値がみられます。
木灰で放射性セシウムの合計が8000Bq/kgを超えているサンプルが3品あります。(9、10、11)。
木灰については、政府が以下の通知等を出しています。


■林野庁
薪、木炭等の燃焼により生じる灰の食品の加工及び調理への利用自粛について(2012年2月10日)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/tokuyou/120210_1.html

■環境省
薪ストーブ等を使用した際に発生する灰の取扱いについて(平成24年1月19日環廃対発第120119001号)
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120119001.pdf
薪ストーブ等を使用した際に発生する灰の取扱いについて」に関するQ&A
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/no120119001_qa.pdf


生産者と消費者をつなぐ測定ネットでの測定については以下をご覧ください。
http://sokuteinet.sblo.jp/category/1310239-1.html
posted by 事務局 at 19:15| 測定レポート